| 肺がんは増えている |
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日本人の肺がん死亡数は2000(平成12)年に男性で約4万人、女性で約1.5万人。40年前と比べ男女とも40倍に増加しています。男性では1993年に胃がんを抜き、がん死亡のトップになり、1998年には男女全体でもがん死亡のトップとなりました。
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| 国民衛生の動向 2001 |
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肺がんの主原因はタバコです
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男性の肺がんの70%、女性の肺がんの25%は喫煙が原因と考えられています。特に、扁平上皮がんと小細胞がんは、男で90%以上喫煙が原因と、タバコとの関連が非常に強いがんです。
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X線検査と喀痰細胞診検査
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肺がん検診の検査は、胸部X線撮影検査と、痰の出る人や喫煙者には喀痰細胞診検査を行うのが標準的な方法です。X線検査の場合、読影はダブルチェックといって二人の医者が判定します。
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CTによる肺がん検診とは
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胸部X線は肺がんの発見にとって欠かせない検査ですが、盲点もあります。心臓や血管と重なって隠れた部位、骨と重なって紛らわしいもの、古い結核のあととの区別が難しい場合などです。このような問題点を一挙に解決すると期待されている方法があります。それがCTを用いて肺がん検診を行う方法です。CTを用いるとより小さい段階で確実にがんを発見できると期待されています。
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肺の構造
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肺は葉と呼ばれる単位で構成されています。右肺は上葉、中葉、下葉に、左肺は上葉と下葉に分かれます。肺の手術はこの葉を単位として切除するのが基本です。
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肺がんについて
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肺野型肺がんと肺門部型肺がん
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肺がんは発生した場所により性質が異なります。肺の心臓に近く気管支や血管の通る部分を肺門部といいます。この近くにできたものを肺門型肺がん、ここから離れ肺の端のほうにできたものを肺野型肺がんといいます。
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扁平上皮がんと腺がん
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肺がんの最終的な検査方法は組織検査です。病変部から切り取った肉片から顕微鏡標本を作製し、病理医という専門医が診断するので、病理診断ともいわれます。病理診断により、肺がんは細胞の形態や性質、配列や増殖状況の違いで、いくつかのグループに分類できることが解りました。その主なものに、扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん、小細胞がんがあり、各々よく発生する部位や、形態、診断や治療法にちがいがあります。
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| 腺がん |
肺野に発生する典型的な肺野型肺がんです。診断にはX線検査が有効です。 |
| 扁平上皮がん |
肺門部の中枢気管支に多く発生します。特に喫煙との関係が強く、気管支を閉塞し無気肺や肺炎を起こします。早期発見には喀痰細胞診検査が有効です。 |
| 大細胞がん |
大きな細胞からなるがんです。腺がんと扁平上皮がんの中間的な性格があります。 |
| 小細胞がん |
小さいがん細胞の集まりで、肺門にも肺野にも発生します。進行が早く外科治療より化学療法や放射線治療の効果が高い場合が多いとされます。 |
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肺がん治療について
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| 肺がんの進展 |
肺がんは腫瘍の進展度によりTis,T1、T2,T3,T4に分類されます。
Tis:上皮内がん、気管支の表面に留まるがんです。X線では写らず、喀痰細胞診が発見のきっかけになります。精密検査としての気管支鏡検査で診断が確定します。
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| <T1> |
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腫瘍の最大径が3cm以下で、腫瘍が主気管支や臓側胸膜に浸潤していないものとされます。 |
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| <T2> |
| 腫瘍が3cmを越えるもの。または、主気管支への浸潤があるが、気管分岐部より2cm以上あるもの。または、浸潤が臓側胸膜に留まるもの。または、部分的な無気肺で発見されたものです。 |
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| <T3> |
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隣接臓器に直接浸潤する腫瘍。主気管支への浸潤があるが、気管分岐部に浸潤が及ばないもの。または一側肺全体に及ぶ無気肺または肺炎の状態です。 |
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| <T4> |
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縦隔、心臓、大血管、気管、食道、椎体、気管分岐部に浸潤が及ぶ腫瘍。胸水中にがん細胞がみられるもの。 |
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さらに、リンパ節転移によってN0,N1,N2,N3に分類されます。 |
N0
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リンパ節転移なし |
| N1 |
同側気管支周囲、肺門リンパ節、肺内リンパ節に転移したもの |
| N2 |
同側縦隔リンパ節、気管分岐部リンパ節に転移したもの |
| N3 |
対側リンパ節、鎖骨上窩リンパ節転移があるもの |
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| 最後に、遠隔転移によってM0,M1に分類されます。 |
| M0 |
遠隔転移なし |
| M1 |
血行転移による他臓器転移がある |
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| この組み合わせによって進行度を0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類します。 |
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0期
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Tis
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N0
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M0
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ⅠA期
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T1
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N0
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M0
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ⅠB期
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T2
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N0
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M0
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ⅡA期
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T1
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N1
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ⅡB期
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T2
T3
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N1
N0
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M0
M0
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ⅢA期
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T1
T2
T3
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N2
N2
N1,N2
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M0
M0
M0
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ⅢB期
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Tは関係なし
T4
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N3
Nは関係なし
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M0
M0
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Ⅳ期
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Tは関係なし
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Nは関係なし
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M1
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肺がんの治療法
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| レーザー治療 |
肺がんに内視鏡でレーザー光線を当て治療する方法です。
気管支内に限局した病変に対し行われます。 |
| 外科治療 |
病変部を外科手術で切り取る治療方法です。
小細胞がんを除くⅠ期、Ⅱ期の肺がんでは、手術で切除できる場合は手術が第一選択の治療法となります。しかし、全身状態や心臓や肺の状態によっては手術しないほうがよい場合も多く、治療法については主治医とよく相談して決める必要があります。
Ⅲ期でも病変によっては外科治療の前後に放射線治療や化学療法を行う場合があります。 |
| 放射線治療 |
病変部に放射線を当て、がん細胞を殺すことで治療する方法です。
小細胞がん、あるいは、非小細胞がんでもⅢ期、Ⅳ期では、放射線療法と化学療法の組み合わせ、あるいは化学療法単独療法で治療します。
近年、定位放射線治療や粒子線治療が開発され、臨床評価が行われています。 |
| 化学療法 |
抗がん剤を用いて治療する方法です。
Ⅳ期では抗がん剤による全身治療が適応となる場合があります。 |
| 免疫療法 |
肺がんに対し標準的な治療方法として確立された方法はありません。 |
| 遺伝子治療 |
現在研究中の方法です。
アメリカや日本でも限られた施設で試験的に行われています。現在のところ、効果があり、かつ標準的な治療法となっているものはありません。 |
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| 肺がん治療率 |
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| Japan Clinical Oncology Group:厚生省がん助成金にサポートされる臨床試験グループ |
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参考文献
1)西條長宏、加藤治文、編:インフオームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん、
医薬ジャーナル社、2001年9月
2)浅村尚生:肺がんカウンセリング、南光堂、2000年10月
3)仁井谷久暢、西條長宏、:肺癌診療ハンドブック、中外医学社、1997年11月 |
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