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胃
がんは減っているか
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日本人の胃がんは減っていると言われます。確かに統計でみると胃がん死亡率は減少しています。しかし、胃がんになる人の数(り患数)は、人口高齢化の影響で非常に増えています。つまり胃がんになる人は増加しているが、完治する人が多いため、死亡する人はあまり増加していません。日本人の胃がんは減っていると言われるのは、日本における胃がん早期発見・早期治療の進歩が著しい証拠と考えられます。
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胃
がん死亡数の推移
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日本人の胃がん死亡数は毎年男3万人、女1万8千人前後とあまり増減していません。しかしこの間、胃がんの高発年齢である高齢者の人口は増加しています。胃がん死亡数は、本来ならもっと増加するはずが、そうはなっていないので、死亡率でみると胃がんは減少しているというわけです。
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国民衛生の動向 2001
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胃
がん検診とは
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胃がん検診とは、バリウムを飲んで写真をとるX線検査をいいます。最近のバリウムは高濃度低粘性バリウムといって、飲む量が少なくなり、ネバネバしたものからサラサラしたものへと飲み易くなり、しかも胃粘膜表面の描出力が良くなるなど、性能が格段に進歩しています。胃がんの早期発見にはX線による定期検診が最も有効です。年に一回はバリウムを飲みましょう。
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検
診による胃がん発見率
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現在のX線による胃がん検診では、およそ10人に1人精密検査が必要と判定されています。このうち精密検査で実際にがんと診断されるのは100人に1.5人位です。
すなわち一般の人の中には、1000人に1.5人程度、検診で発見できる胃がんが潜んでいます
検診で発見されたがんの6割~7割は早期がんで、これは治療により90%以上完治します。残りは進行した状態で見つかりますが、この人たちも、手術を受ければ6割以上は完治します。すなわち、検診で発見された胃がんは、85~90%が完治します。これが、100%になればいいのですが、がんはなかなか強敵です。今の医学では、精一杯頑張ってこのくらいといえます。胃がんに立ち向うために、現在も多くの施設で研究が続けられています。
しかし現在でも、検診で発見される胃がんの85~90%が治る、というのはなかなかの進歩だと思いませんか。われわれの健康を維持するために、これを利用しない手はありません。
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放
射線被曝について
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人間は普通に生活していても、宇宙線や大地・食物から微量の放射線を絶えず浴びています。これを自然放射線といいます。我々にはこのような微量の放射線に耐える能力が、生まれつき備わっていることが、がん遺伝子の研究で解かってきました。そうでなければ、生物が地球上で、このように繁栄することはなかったでしょう。
胃がん検診のX線検査で用いられる放射線の量は、高地に生活する人が一年間に浴びる自然放射線の量とほぼ同じで、がんの増加が証明されている線量に比べ何桁も少ないことが解っています。検診によるX線の害は無視できる程度といっていいでしょう。
その上、胃集団検診車で用いられる間接撮影はI.I.間接(アイアイカンセツ)方式といって、特に被曝線量が低く、病院で用いられる直接撮影に比べ1/4程度の低線量で検査できます。
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胃
がんの進展
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胃の壁は、内側の粘膜層から、粘膜下層、筋肉層、漿膜下組織、漿膜層までの、5層構造をしています。胃がんは粘膜層に発生します。これが次第に成長して大きくなります。
このうち横の方への広がりに関係なく、下の方への広がりが粘膜下層を越えないものを、早期胃がんといいます。逆に筋肉層より深く広がったものを、進行胃がんといいます。
早期がんは転移(がん細胞の一部が、胃から外へ移動し、どこかに定着し、そこで成長すること)がほとんどなく、あっても近くのリンパ節に留まる場合が多いため、手術で完全に取り除くことができます。進行がんの場合、進行の程度により、遠くのリンパ節や肝臓、膵臓など周囲臓器に病変が広がっていき、手術で完全に取り除くことができない状態になります。
胃がんの予防には早期発見が必要ですね。
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胃
がんの治療
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胃がんの治療には、内視鏡的切除術、外科的切除術、化学療法などがあります。
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■ 内視鏡治療
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内視鏡を用いて、粘膜面にできた、小さいがんを取り除くことができます。比較的小さな粘膜内がんやリンパ節などに転移のないと推定されるものが適応になります。
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粘膜下に生理食塩水を注入し、がん病巣を含む粘膜を持ち上げる
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スネアーを締め、高周波電流を通電し、病巣を含む粘膜を焼き切る
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■ 手術療法
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胃がんの手術として、標準的には胃切除(胃の2/3以上)と第二群のリンパ節郭清を行います(定型手術)。また、早期胃がんでは切除範囲やリンパ節郭清を小さくしたりすることもあり(縮小手術)、また施設により、腹腔鏡の補助下に手術が行われたりもします。逆に、がんが広い場合には胃全摘術が行われることもあり、広い範囲をとることもあります(拡大手術)。
がんがさらに進むと、病巣を取り除くことが困難となり、通過障害を回避し、食事が通るようにするためのバイパス手術をすることもあります。
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■ 化学療法
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飲み薬や注射による抗癌剤を用いてがん細胞を殺したり、増殖を抑えたりして、手術で取れなかったり、再発が予想される場合に使用します。
ただし、現在のところ、抗癌剤だけでがんを死滅させることは困難と言わざるをえません。
また、抗癌剤以外の代替治療として「免疫療法」や「健康食品」などがあげられますが、これについては、投与したことにより明らかに、延命したという証拠は確認されていません。
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その他
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放射線療法は、がんの組織を高エネルギーのX線で攻撃するものですが、手術によるほどの効果を期待できず、手術できないものや、再発の場合が適応とされます。緩和療法は、がんに伴う症状を和らげるために行います。
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胃
がんの進行度
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胃がんの進行度を表すのに病期分類が用いられます。病期とはがんの広がりを分類する国際的な取り決めです。胃がん病巣そのものの広がりと、リンパ節や肝臓、腹膜への転移の状況を組み合わせて、Ⅰ期からⅣ期までの病期(ステージ)を決めます。
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■ がん(原発巣といいます)の広がり
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T1:粘膜内、または粘膜下層に留まるもの。すなわち、早期胃がんです。
T2:筋層、または漿膜まで達したもの。進行がんですが胃壁の中に留まるものです。
T3:がんが胃の外まで広がったもの。
T4:がんが胃の周囲臓器にまで及んだ場合。
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■ リンパ節転移の程度
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これには細かい規約がありますが、概略次のようになります
N0:リンパ節転移がないもの
N1:がんに近いリンパ節に転移があるもの
N2:胃の血管周囲リンパ節など、がんからやや遠いリンパ節に転移があるもの
N3:大動脈周囲など胃から遠いリンパ節に転移があるもの。
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■ 肝転移の有無
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H0:肝臓に転移がないもの
H1:肝臓に転移があるもの
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■ 腹膜転移の有無
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P0:腹膜に転移がないもの
P1:腹膜に転移があるもの
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■ 遠隔転移の有無
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M0:遠くの臓器に転移がないもの
M1:遠くの臓器に転移があるもの
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■ 治療法の選択
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これらを組み合わせて病期を決定します。病期により最適の治療法は決まっています。
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日本胃癌学会による
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胃
がんの生存率
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胃がんの場合、手術後5年間生存すれば、その後の死亡率は一般人と変わらない事から、胃がんの治療成績は一般に5年生存率で表します。
胃がんは早期に発見するほどよく治ります。早期胃がんでは90%以上治癒します。
進行胃がんでも、mpがん(筋層まで達したがん)なら80%治癒します。
早期発見、早期治療の必要性がわかりますね。
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日本胃癌学会全国登録1991年度症例、胃がん治療ガイドライン2001年12月版
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