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婦人科検診部のご案内
    
はじめに

 子宮がんの早期発見、初期治療による子宮がん死亡「0」を目指し、検診を行っています。

診療科目
 
子宮がん
車検診
一次検診(細胞診による境界病変およびがんのスクリーニング)
 市町村、企業からの依頼により検診車を派遣します。 
子宮がん
施設検診
一次検診
 車検診と同様に市町村、企業ならびに一般受診希望者を対象に細胞診による境界病変およびがんのスクリーニングをします。
二次検診(がんの検出)
 当センターの車検診および施設における一次検診で頸部細胞診クラスⅢa、体部細胞診疑陽性以上、あるいは問診などの結果、子宮体がんハイリスク.グループとみなされた方、および他医療施設より精検を依頼された方に細胞診、コルポ診、組織診(頸部‐コルポ診下狙い)を行いがんの検出をします。 
子宮がん
以外の
婦人科疾患に対する検査
 CTやエコー検査(超音波‐腹部、経腟‐検査)などの画像診断による子宮筋腫、卵巣腫瘍などの診断、経過観察、また腟トリコモナス、カンジダ、クラミジアその他の炎症性疾患の診断、治療も行っています。

検査方法

 ◆細胞診
 子宮頸部、体部より特殊な器具を用いて細胞を擦り取り、染色後顕微鏡で観察。がん細胞の有無を調べます(創設者の名をとり、パパニコロー検査とも呼ばれます)。
 判定は頸部:クラスⅠ、Ⅱ(正常または炎症など)、Ⅲa、Ⅲb(軽度から中等度、高度異形成)、Ⅳ(上皮内がん)、ⅴ(浸潤がん)、体部:陰性(正常または炎症など)、疑陽性(内膜増殖症、異型内膜増殖症など)、陽性(子宮内膜がんなど悪性病変)に分けられます。
 当センターでは 野田 定 医師の考案したポリエチレン製の柔らかい器具(頸部用‐サイトピック、体部用‐エンドサーチ)を用いており、ほとんど疼痛のない細胞採取が可能です。

 ◆コルポ診(腟拡大鏡診ともいう)
 双眼鏡のような器械で子宮腟部を10-20倍前後に拡大観察し、病変の広がりや前癌病変、初期がんを検出します。

 ◆組織診
 頸部・・・コルポ診下で疑わしい部位より米粒ぐらいの小さな組織をとり病理検査をします。疼痛はほとんどなく、出血もわずかです。
 体部・・・通常、細い特殊な金属性の器具で内膜の全面を掻爬し採取された組織で病理検査をしますが、検査には疼痛を伴います。しかし、当センターでは主としてエンドサーチにより採取するため、疼痛はほとんどありません。

 ◆ヒトパピローマウイルス検査
 子宮頸がんの発症に関係のあるヒトパピローマウイルス(HPV)の検出と型分類も実施しています。HPVは現在約90種類の遺伝子の異なるウイルスが確認され、そのうち、将来子宮頸部がんになりやすい型は10数種類とされています。HPV陽性の方は型分類により、がんになりにくい低リスク型か、数年以上経てがんになる危険性のある高リスク型かがわかりますので、治療方針の決定に役立ちます。

特徴

 ◆細胞診
 専門学会認定の細胞検査士と細胞診専門(指導)医とのダブルチェックによる判定により、診断精度の向上維持に努めています。
 なお、当センターの細胞診従事医師および検査技師は全員、日本および国際細胞学会認定の細胞診専門(指導)医師ならびに認定細胞検査士です。
 自施設内で、細胞診、コルポ診、狙い組織診の判定が得られるので、臨床所見との比較が正確に行えます。なお、当センター外来担当医師は全員、学会認定専門医です。
 HPV検査の判定(特に型分類)により正確な治療方針、特に経過観察を行っています。 

 ◆提携先医療機関
 医師の派遣はもとより入院、手術など大阪府立成人病センターをはじめ、在阪各大学医学部産婦人科のご協力を得ています。

 ◆国際医学交流
 当検診部の検査システムの研修に設立当初より今日にいたるまで、スペイン、パラグアイ、中国、韓国、台湾より5名の医師を受け入れました。また外務省、ODA、JICAの要請によりパラグアイ、タイ、中国において細胞診による子宮頸がん集団検診の普及のための講演および講習会を開催しました。

 ◆検査精度の維持
 当検診部の医師はもとより検査技師は、いわゆる「ヒューマンエラー」による誤診、誤判定を避け高い検診精度を維持すべく日常業務以外にも日々知識の吸収、検査手技の向上に努めております。その果実として、日本臨床細胞学会より医師1名に「学会賞」、検査技師1名に「学会技師学術賞」が授与されました。
 また当センターの細胞診業務の内容が評価され日本臨床細胞学会の施設認定を受けています。

検査数、発見がん数

一次検診
受診者数
要精検率 精検受診率 がん発見率
子宮頸部 184,276人 3.4% 89.9% 0.10%
子宮体部 4,038人 9.3% 91.2% 0.32%
(1987年度設立当初より2003年度まで)


※頸部について補足
がん発見率0.10% 177例中、微小浸潤がん33例、上皮内がん114例でした。
発見がんの83.1%がいわゆる初期の病変で円錐切除や縮小手術で治療可能でした。
注)日本対がん協会による全国検診ではがん発見率0.05%(2003年度)


※体部について補足
注)日本対がん協会による全国検診ではがん発見率0.16%(2003年度)


 以上の検診成績より、当センターの子宮頸がん一次検診により早期発見、初期治療が可能なこと、また一次検診では発見が難しいとされている子宮体がんも、全国平均より2倍近くも見つけていることがわかります。



担当医

診察
午前 植田 政嗣 芝 郁子 植田 政嗣 岡本 吉明 尾崎 公巳
午後 植田 政嗣
出馬 晋二
野田  定
細胞
診断
植田 政嗣 野田  定 鳥居 貴代 鳥居 貴代 植田 政嗣


【名誉部長】
  野田 定  (のだ さだむ)  (医師・薬剤師)
【専門分野】
・産婦人科学、細胞診断学
【専門医・認定医】
・日本産科婦人科学会専門医
・日本産婦人科医会 母体保護法指定医師
・日本臨床細胞学会専門医、指導医
・国際細胞学会フェロー(FIAC)
【主な著書】
・細胞診断図譜(医歯薬出版,東京,第1版1970,第2版1976)
・産婦人科細胞診マニュアル(永井書店,大阪,1987)
・細胞診による子宮がん検診のABC-老人保健法(永井書店,大阪,1990)
・コルポマイクロスコピー図譜(永井書店,大阪,1963)
・産婦人科実地医家のための細胞診(大阪産婦人科医会,大阪,1970)
・婦人科鑑別細胞診断図譜(医歯薬出版,東京,第1版1978,第2版1984,第3版1995)

【部長】
  植田 政嗣 (うえだ まさつぐ) (医学博士) 
【専門分野】
・婦人科癌の診断と治療
・婦人科癌の分子・細胞生物学
【専門医・認定医】
・日本産科婦人科学会認定医
・日本臨床細胞学会細胞診専門医
・日本婦人科腫瘍学会専門医
・国際細胞学アカデミー会員
【主な著書・論文】
「図説産婦人科 VIEW 2 細胞診」
「子宮頚部腫瘍の診断と治療」
「婦人科がん治療学」
「新女性医学体系」
「実地臨床医のためのコルポスコピー入門と応用」
「肝転移のすべて」
「NEW CONSENSUS 新撰 産婦人科診療」
「先端医療シリーズ39 産婦人科の最新医療」
「よくわかる卵巣癌のすべて」
「子宮腫瘍病理アトラス」(共著あるいは分担執筆)など。
英文論文79編、和文論文180編。