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集団で受ける検診は個別で受ける検診とは別のものですか?

 市町村や会社で実施している胃がん検診には 集団検診方式 と個人が診療所で受ける 個別検診方式 があり各々特色があります。

以下、胃がん検診を例に説明いたします。

 集団検診方式 は保健センター(市によって健康増進センター等名称は様々です)や学校・会社・公民館などに、胃集検車と呼ばれるX線撮影装置を搭載したバスが来て検査をするのものです。通常、間接撮影とよばれる方式で消化器集団検診学会の撮影基準に則って検査が行われます。

 個別検診方式 は、市町村指定の開業医や病院などで、直接撮影方式を用い行われます。料金が高いことなどの理由で、実施している市と、していない市があります。

 間接撮影は写真が小さいのですが、写る内容自体は直接撮影と同じです。大阪府立成人病センターの研究では、間接撮影も直接撮影も診断能力に差がないことが示されました。さらに、集団検診は 精度管理 と呼ばれる管理体制が敷かれているので、一定の水準を保った検査が受けられると考えられます。個別検診の精度は医療機関によって様々です。

   


精度管理とは何ですか?
 がん検診の水準を高く一定に保つためには、その信頼性を検証し、問題を見つけそれを改善するシステムが必要です。これを総称して 精度管理 と呼びます。 精度管理のしっかりした体制をもつ検診機関は信頼性が高い といえます。

 がん検診の信頼性を測る尺度として精度管理指標があります。これには、要精検率、精検受診率、がん発見率、早期がんの割合などがあり、それぞれに意味があります。ただし、受診者数が少ない検診機関の成績は、偶然に左右される可能性が高いので、解釈に注意が必要です。数値に関しては、少なくとも受診者数一万人以上の検診で、以下の説明が参考になるでしょう。
以下、胃がん検診を例に説明いたします。

 要精検率 :全受診者中精密検査が必要とされる人の割合です。撮影と読影の能力を示す指標とされ、胃がん検診では10±5%程度が目安です。高すぎるのはX線写真の質が悪く正常な部分も異常がありそうに写る場合、判定医の能力が低くむやみに精密検査を指示する場合などが疑われ、精度に疑問符がつきます。逆にあまりに低い要精検率も、X線写真の質が悪く病変が写っていない場合、読影力が弱く病変をチェックできない場合などが疑われます。

 精検受診率 :精密検査が必要と判定され、実際に精密検査を受けた人の割合です。高ければ高いほど精度が高いので、分かりやすいですね。精密検査が嫌で受けない人には、受診勧奨といって、保健師さんなどが受診を勧めます。胃がん検診がうまく機能するには、この受診者管理とよばれるシステムが必須で、これが不十分だと精検受診率が低下します。
精検受診率が高い検診機関は、受診者管理に関するノウハウを蓄積している信頼性の高い機関といえます。90%台は優、80%台で良、70%台で可、60%台以下で不良が、おおよその目安でしょう。 

 がん発見率 :全受診者中で発見されたがん患者数の割合です。胃がん検診では0.15%程度が標準です。がん発見率があまり低いと、がんを見逃している可能性があり、精度の低い検診といえます。ただ、これは受診者の年齢構成に左右されます。高齢の受診者が多いと上がり、若年の受診者が多いと下がるので、解釈には注意が必要です。

 早期がんの割合 :全発見がん中の早期がんの割合です。これが低いと、撮影や読影、あるいは精密検査の診断能力に問題がある可能性が高いので、注目して下さい。早期がんの割合が70%台以上であれば精度が高い検診といってよいでしょう。60%台で良、50%台で可、50%以下は精度に問題があるかもしれません。ただ、この成績は、初めて検診を受ける方が多いと悪くなり、毎年受診している方が多いと良くなるので、注意が必要です。 

         これらの指標が全体として良好な検診が、精度の高いがん検診といえます。
  

精密検査の費用はどれくらいですか?
 検査の種類や保険の負担率で変わりますが、胃がん検診の場合、保険3割負担でX線検査の場合自己負担額は5000円ぐらい。内視鏡で4000円、生検といって組織病理検査を行った場合8000円ぐらいです。かなり高価な検査ですが、ぜひとも必要なものです。精密検査が必要といわれたら迷わず必ず受けて下さい。