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 このページでは、がん検診を中心とした興味深い最新のトピックスを紹介します。ホットな情報を随時更新予定です。
  
2003/04/28 up
がんあれこれ
◆ 厚生労働省「平成13年度地域保健・老人保健事業報告の概要」
 先日、厚生労働省は「平成13年度地域保健・老人保健事業報告の概要」を公表した。
 それによると、がん検診については、①受診率では、大腸がん、肺がん、子宮がんは増加傾向に、胃がんは減少傾向に、乳がんは再び増加傾向になっていることが判明。②受診者数では肺がん、「要精密検査者」数では胃がん、「がんまたは疑いのある者」数では大腸がんが、各々第1位。③「がんまたは疑いのある者」の割合は、視触診とマンモグラフィーを併用した乳がんが第1位。
 次に、基本健康診査については、受診率は平成9年度から増加傾向にあり、指導区分では、「要指導」は36.8%、「要医療」は44.8%に上っている。前者は年齢が若い層に、後者は高い層に多い。下図・表参照。
 
(「日本醫事新報、No.4121・2003年4月19日」参考)
◆  緑茶によるがん予防
 第61回日本癌学会総会において、「緑茶によるがん - 臨床応用に向けて」という研究(徳島文理大学薬学部藤木博太医師、埼玉県立がんセンター菅沼雅美医師らによる)結果が報告された。
 もちろん、緑茶によるがん予防研究・調査と言っても、闇雲にいろんな成分を分析するのではなく、ここではカテキンの有効性を分析している。言わずとしれたカテキンは単体だけでも、がん予防に対して有効であるだけでなく、がん予防薬や抗がん剤との併用による相乗効果もあるとの米国・コロンビア大学の研究グループの報告もある。

 日本では緑茶は薬として伝来したが、800年の間、その薬効についての研究は殆どなかった。“がんの化学予防”という新しい概念が導入された時に、緑茶カテキンのがん予防効果が初めて注目された。緑茶は、日常の飲物であるため、がん予防薬より広い適応範囲と手軽さを備えている。日本人は緑茶飲用により、苦みも痛みもなく、一つのがん予防を手中に収めていると言えよう。

 このことから、日常の飲用により、一般健常人には、がんの予防、がん発症の遅延が期待できる一方で、がん治療後のがん予防等にも有効と考えられている。特に、後者では、緑茶とがん予防薬の併用で、相乗効果が得られるとされている。これをして当研究者達は、“緑茶による二段階のがん予防”と称している。下図参照。


(「癌の臨床、第49巻第3号・2003年3月」参考)
タバコが腰痛の原因に!
 
 保健所や市区町村による「健康増進指導」の実施状況によれば、最近では、「禁煙指導」が平成9年度以降増加傾向にあり、特に「20歳未満」とか「女性」への指導増加が顕著になってきている。昨今は女性の「歩きタバコ」も見かけるようになった。タバコはもはや、”一害あって一利なし”となり、がん、動脈硬化、心臓病・・・と生活習慣病の原因の権化みたいになっている。そんな中で、またまた悪い話が報告された。


 「喫煙者は腰痛になりやすい」ことが、日本大学医学部整形外科の松崎浩巳教授らのウサギとラットによる実験で明らかになった。タバコに含まれるニコチンの作用により、喫煙が「腰痛」の原因になることが、科学的に実証された。

 8週間ニコチンを与えられたウサギの場合、血管の数が、生理食塩水を与えられたウサギの半分程度に減少し、椎間板が大きく変性していたことが判明。「ニコチンの血管収縮作用によって多くの血管が潰れたため、十分な栄養が行き渡らなくなり、椎間板が変性したものと考えられる」と松崎教授。
 このことから、「腰痛」のメカニズムは、①椎間板が変性(脆弱化)→②椎間板中の水分が大幅減少→③椎間板の厚さが半分程度に縮小(クッションが薄くなる)→④(1)骨同士がぶつかり尖ってしまう(骨棘・こっきょく)。(2)バランスをよくするため靱帯が厚くなる→⑤骨棘、靱帯が神経を圧迫→⑥「腰痛」と説明なる。

 また、椎間板ヘルニア患者への喫煙調査では、喫煙者の割合が男性は72%(平均は52%)、女性は19%(平均10%未満)と、一般人に比べて明らかに高率であることが判明。しかも、女性に至っては、ほぼ倍の結果が出た。
 こうなると、喫煙は飲酒のように程々ならという生易しいことではなく、禁煙について性根を入れて考えねばならない時に来ているかもしれない・・・。
(「暮らしと健康、2002年2月号」参考)
2003/03/10 up
お酒と楽しく付き合うために
  
◆ 飲酒で乳がんの危険増加
 英国のがん研究団体が、「乳がんによる危険は飲酒量に伴って高まるが、喫煙は無関係」という研究結果を発表した。喫煙者の多くは飲酒の習慣がある人が多いが、彼らにとっては嬉し哀しの結果が出た。

 先進50余ヶ国の15万人の女性を対象に、ワインの摂取について調査。グラス1杯のワインを毎日飲む人は、飲まない人に比べて発症率は6%高く、飲酒量が増えるほど、発症率もUP。但し、喫煙者か否かで乳がんの発症率に違いはなかったとの発表。
  
 とはいえ、ワインの効能も報告されているし、何事もほどほどにという観点からすれば、禁酒まで行かずとも、適度な飲酒は問題がないかも…。
(「メディファクス、4080号・平成14年11月14日」参考)
◆  できれば避けたい空腹の飲酒
 一日の仕事を終え、空腹の状態でまずは、ビールを1杯。ビールがグーっとしみ込んでいく感覚の心地よさは、誰でも経験済みか。しかし、これは健康的には避けたい飲み方。胃や肝臓に負担をかけてしまうのだ。
 空腹時に入ったアルコールは、早く小腸から肝臓に回るので、血中のアルコール濃度が高まり、酔いもアッという間に全身に回ることになる。一方、肝臓は一気に吸収されたアルコールを分解するために、フル稼働。ましてや、分解に必要なビタミンやたんぱく質が不足しているため、肝臓に無理がかかることになる。だから、空腹ではなく、食べながら飲むというのが、身体にやさしい飲み方となるのである。
 という所から、“酒は百薬の長”とはいえ、お酒と健康の関係は、切っても切れない関係にあると言える(飲まない人が増えているが…)。
(「サントリー」ホームページ 参考)
◆ 飲酒で心臓発作防止
  今度は逆の話。米国の学者グループが、「継続的に週3~4回以上飲酒している人は、飲酒しない人に比べて心臓発作を起こす確立が30%以上減少する」という調査結果を発表した。

 米国の3万8千人余りの男性を対象に追跡調査をした所、心臓発作を起こす確率を調査。確率は、次表の通り。
飲酒回数 低下率
週1~2回 16%
週3~4回 32%
週5~7回 37%
 なお、今回の調査では飲酒量や酒の種類との関連も調べられたが、それらとは無関係(飲酒回数以外の要因が影響しない)との驚くべき結果も出た。但し、今回の調査は、あくまでも心臓発作との関連のみを追跡したもので、やはり過度の飲酒が、肝臓障害やアルコール中毒などに繋がり易いことには変りはないとしている。
(「産経新聞(夕刊)、平成15年1月10日」参考)
2003/03/10 up
ココアあれこれ
◆ ここは、ココアの効能を!
 がんや動脈硬化などの原因となる活性酸素を抑える働きをするポリフェノールを含むことから、健康にいいと紹介され大ブームとなったココア。

 今また、ここに来て、ココアには冷え性効果のほかに、傷の治りを早め、便臭を抑えるという意外な効果のあることが発見され、入院患者の栄養摂取にココアを活用している医療機関が出てきた。埼玉医大高度救命救急センターである。

 ココアやチョコレートの原材料であるカカオは、皮膚の再生に重要な亜鉛やミネラルなどを多く含み、古代に皇帝や貴族が独占して薬に使っていた文献もあることから、同医大と森永製菓とが共同研究を始めた。
 ラット実験では、ココア摂取のラットの方が、ココア未摂取のラットより、全体的に30%ほど傷の治りの早いことが判明。しかし、この実験は人体ではなくラット上での実験であり、かつこの実験自体が途上であることから、ココア効果は完全に証明されたわけではない。
 それでも、ココアが外科的治療に有効であり、健康にやさしいことは間違いないようなので、出来るだけ飲むようにしたい。
(「産経新聞(朝刊)、平成15年1月15日」参考)
2002/12/24 up
ビールでがん発生を抑制
  
 ビールの成分に、がんの発生を抑えたり、赤ワインと同じように活性酸素の働きを抑える抗酸化作用のあることが、麒麟麦酒㈱の研究によって分かった。実験では、大腸がんを発生させる物質を投与したラットに、5週間に亘ってビールを自由に飲ませた。
  
 結果は、ビールを飲んでいたラットの前がん(将来がんになる)病変の数が、水だけのラットに比べると約60~70%に抑えることが出来た。これには担当者は「ラットの実験がそのまま人間に当てはまるとはいえないが、人間に最も効果的な量を推察すると、体重60kgの人では、260~500mlが目安になるのでは」とコメント。1日に缶ビール1~2本なら、がんにいいかも(笑)。下図参照。

  
 次に、抗酸化作用の実験では、赤ワインとビールの濃縮物水溶液をラットに一気に飲ませて、一定時間後に血液を採取。その上で、血漿に薬品を投与して強制的に酸化させてビタミンEの減り方スピードを調べた。

 結果は、ビールと赤ワインを飲んだラットは、ビタミンEのなくなり方がともに同じくらいゆっくりであることが判明。これは、血液中のビール成分がビタミンEに変わって活性酸素の働きを抑えているためだといい、ビールは動脈硬化など生活習慣病にも有用らしい。下図参照。

  

   
 がん抑制や生活習慣病に有効なのは、ビール成分の中に含まれるホップや麦芽による効果のようで、適量ならば、”百薬の長”になりうるか(笑)。そう、寒~い冬は、キノコ入りの鍋にビールで一杯というのが、おしゃれで健康的かも(キノコの効能は後述)。でも、食べ過ぎ、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を!「過ぎたるは及ばざるが如し」。
(「産経新聞(朝刊)、平成14年11月6日」参考)
   
  
2002/12/24 up
キノコ あれこれ
   
◆ キノコの栄養
 キノコは、納豆やチーズなどと同じ菌食品に分類されている。菌食品には、体調を整えたり、病気の予防など優れた作用がある。特に、キノコは、ビタミンD、食物繊維、パントテン酸が豊富な健康食材である。キノコを食べることから、カルシウムの吸収を促進し、便秘の解消や予防に効果があり、腸内の有害物質を排出し、更には脂質の代謝に働き、善玉コレステロールを増やすなど生活習慣病を予防する作用がある。また、免疫力を高め、がんを抑制する働きのあるキノコも多いと言われている。
(「広島県コスモス薬局グループ」ホームページ他 参考)
◆ キノコ・ベスト10
 ある調査会社が、9月下旬に主婦を対象に実施した「好きなキノコ」アンケート調査によると、第1位はシイタケ、第2位は僅差でマイタケ、第3位はエノキダケ…の結果が出た(下表参照)。シイタケはキノコの代表格といえ、名実ともにトップ賞。また、どんな料理にも使えるなどの実用性を評価する声も多いし、ビタミンDが豊富な他、血栓症防止にもよいと言われている。マイタケは、ここ10年ほど前からの急成長株。こりこり、しゃっきりした食感が支持され、若者に人気。エノキやマッシュルームは、キノコ特有の癖がないのが特徴で、食べやすいのが身上。グラタンなんかにいい。ナメコは、ぬめりと食感で断然みそ汁がgood。

シイタケ 776
シイ、カシなど広葉樹の枯れ木や倒木に生える、日本の代表的キノコ。干したものも珍重される。
マイタケ 750
ミズナラなどブナ科広葉樹の根元に生える。東北地方で古くから珍重され、近年では栽培物が増えた。
エノキダケ 689
秋から春にかけ広葉樹の切り株に発生する。白色の栽培物が大半だが、天然物は黄褐色で傘が開く。
ナメコ 650
主にブナの倒木や切り株に群生する。ぬめりに栄養分を多く含む。野生の物はぬめりが強い。
マッシュルーム 619
ホワイトとブラウンの2種がある。におい予防の効果が最近話題に。仏語は「シャンピニョン」。
ホンシメジ 607
ミズナラなどの雑木林、マツとの混成林に群生する。ブナシメジより水分が少なめ。
エリンギ 583
東欧や地中海沿岸が原産。日本の自生種ではないが、繊維質の食感が人気で栽培量が増えている。
ブナシメジ 578
ブナなど広葉樹林の倒木や枯れ木に生える。長野県産などの栽培物が、店頭に通年で出回る。
キクラゲ 570
広葉樹の枯れ木などに付く。季節は春から秋。乾燥したものも出回り、中華食材として知られる。
10 マツタケ 547
極東アジアにのみ生える。北米や地中海産のものは近縁の種。人工栽培が難しく、高価。
有効回答数は1,014。複数回答可。
(「日本経済新聞(朝刊)、平成14年10月19日」参考)  
<参考>ビタミンの解説
脂溶性 ビタミンD 丈夫な骨や歯を作り、骨粗しょう症、がん、風邪を予防する。
ビタミンE 過酸化脂質を抑制し、血行をよくする。
水溶性 パントテン酸 脂質の代謝に働き、善玉コレステロールを増やす。免疫力を高める
(「暮しと健康、2002年12月号」参考)
  
  
2002/11/08 up
平成13年人間ドック全国集計成績発表 -日本病院会予防医学委員会-
 平成13(2001)年に人間ドックを受診した276万5,672人のうち、受診結果が「異常なし」とされた人の割合は、前年に比べ0.3ポイント減少し、14.5%となったことが、日本病院会予防医学委員会の調査で明らかになった。

 受診者は年々増加しているが、受診結果に「異常なし」となった人の割合は、昭和59(1984)年の調査開始以来、全国的に減少傾向にある(29.8%→14.5%)。

 この理由として、食習慣の欧米化、リピーター(反復受診者)の増加に伴う加齢の影響、社会環境の悪化に伴うストレスの増加などが上げられている。また、当初ばらつきがあった地域差も、なくなっていることが判明。これは、外食産業やコンビニの定着で、地域に特有な食文化が均一化の傾向にあるのではないかとの同委員会の分析。地域別では、「異常なし」が平均を上回っているのは、東北、関東甲信越、中四国の3地域のみ。近畿は、かなり悪化傾向に。

 受診項目のいずれかで、経過観察や治療が必要とされた受診者の多い項目(ワースト3)を見てみると次の通り。

  
 1)肝機能障害  26.6%
 2)高コレステロール 24.9%
 3)肥満 20.4%
  
男女別に見た場合は次の通り。
  
男 性   女 性
 1)肝機能障害 32.3%    1)高コレステロール 25.3%
 2)高コレステロール 24.7%    2)肝機能障害 16.4%
 3)肥満 22.6%    3)肥満 16.2%
   
  その他、高中性脂肪、腎・膀胱疾患などが上位にランキング゙。いずれも生活習慣や加齢の影響が大きいと考えられるが、男性には飲酒を始めとした食生活の変化が顕著に現れている。併せて行われた「人間ドックの癌統計」では、胃がんと大腸がんの占有率が約60%あり、最近では、女性の乳がん、男性の前立腺がんの増加が顕著であることが判明。

 以上を踏まえて、「受診者に自分の行動を反省するきっかけとして、人間ドックを利用してもらうことが21世紀の人間ドックのあり方」と言及し、更に、「人間ドックは、今までは病気の早期発見(二次予防)に重点が置かれていたが、今後は健康づくり(一次予防)へと転換しなければならない」と結論づけている。

 
(「メディファクス、4028号・平成14年8月28日号」、「日本病院会ニュース、657号・平成14年9月25日」、「予防医学委員会報告(人間ドックの現状)、平成14年3月」参考)
  
  
2002/11/08 up
大腸がんあれこれ

◆ どっち? -兵庫医科大学グループ研究発表-
 欧米型の食事を見直して動物性脂肪の摂取量を減らし、食物繊維を適宜に取り、運動に十分な気配りをすることが必要・・・云々というのは、よくある大腸がん予防の心得みたいな文章。ところが、食物繊維をとっても効果がないという調査結果を発表した研究グループがある。兵庫医科大学の石川秀樹助手のグループだ。

 大腸の内視鏡検査でポリープが2個以上あった40~65歳までの男女400人が対象。「食事指導のみ」、「食物繊維入り小麦ふすまビスケットを食べる」、「乳酸菌の粉薬を飲む」などのグループに分けて、9年間に亘って便と内視鏡検査を実施。

 結果は、食物繊維は大腸がんに効果がなく、逆に乳酸菌については、大腸がんの悪性化を防ぐ働きがあると発表(但し、全てが効く訳ではないとしている)。これまでの「常識」は如何に。いずれにしても、食物繊維と乳酸菌の両方を取る気配りが、一番賢いやり方かもしれない。

  
(「朝日新聞 朝刊、平成14年10月2日」参考)
◆ 背の高い人(特に男性)は大腸がんに注意! 
            -岐阜大学医学部グループ研究発表-
 
 岐阜大学医学部免疫予防医学教室の研究グループが、身長の高い男性は、低い男性よりも大腸がんになる危険度が2.13倍高いとの調査結果を発表。


 平成4(1992)年に実施した岐阜県高山市の住民生活実態調査(約3万人対象)を基に分析。身長162cm以下の低身長群、168cm以上の高身長群、その中間の中身長群に分けて、性別、年齢、喫煙、飲酒量などを考慮して分析した結果、低身長群を1とすると、中身長群は1.75、高身長群は2.13という結果になった。但し、女性も同傾向が見られたが、男性ほど著しい結果にはならなかったとの報告があった。
(「メディファクス、4048号・平成14年9月27日」参考)